君の隣が、いちばん遠い



翌日、遥くんからメッセージが届いた。


『ひより、学校に進路相談に行ったんだって?どうだった?』


しばらく考えてから、わたしはゆっくりと返信した。


『うん、まだ決まったわけじゃないけど、“好き”だったこと、ちゃんと思い出してみようと思ってる。それで……国語の先生って、いいなって思いはじめてる』


すぐに、通知が鳴った。


「すごくいいと思う。ひよりに合ってると思うよ』


その言葉に、胸があたたかくなった。


進路がまだ白紙だったわたしは、少しずつ、未来に手を伸ばしはじめている。

それは、誰かに言葉を届けるための、はじめの一歩だった。