そのあと、少しだけ散歩して、駅の近くまで送ってもらった。


「じゃあ、またLINEするね」

「うん、気をつけて帰ってね」


別れ際、わたしたちはもう一度手をつなぎ、そのまま軽く抱き合った。

そして、あの日と同じように、キスを――。


ほんの一瞬。

でも、確かに気持ちを交わした温度。


家に戻って、こたつに潜り込む。

美帆ちゃんがテレビでお笑いを見て笑っていて、なんだか少し騒がしい。


わたしはスマホを手に取り、カメラフォルダを開いた。

そこにあったのは、クリスマスの夜に撮ったツーショットの写真。


街のイルミネーションをバックに、遥くんと並んで立って、少し照れながらもお互いを見つめていた。

その画面を見つめながら、わたしはそっと微笑んだ。