『明日、近くの神社に初詣行かない? 朝、10時くらいに迎えに行くよ』
その文面を見て、胸の奥があたたかくなる。
『うん。行きたい』
そう返信して、わたしはスマホをぎゅっと握りしめた。
だけど、そのぬくもりの奥で、もうひとつの感情が胸をざわつかせていた。
――白石くんの言葉。
「……もし、再会するのがもっと早かったら、俺が佐倉さんの隣にいられたのかな」
はっきりとした“好き”ではなかったけれど、そこには確かに気持ちがこもっていた。
あのとき、わたしは何も答えられなかった。
次に会ったときに、何か言わないといけないかな。
不安なわたしの心を、指に光るリングがそっと見守ってくれているようだった。



