大晦日の朝、部屋のカーテンを開けると、冬の陽射しがうっすらと差し込んでいた。


外は空気が張りつめていて、世界が少しだけ静かに見える。

家の中では、美帆ちゃんが紅白の録画を楽しみにしていたり、叔母さんが年越しそばの準備をしていたりと、いつもより少し慌ただしい。


わたしは、こたつに入ってスマホを片手に、ふぅと長く息を吐いた。


カレンダーの「31」の数字が、今年の終わりを静かに告げている。


この一年を思い返すと、本当にいろんなことがあった。

一ノ瀬くんと出会い、友達になって、少しずつ距離が縮まって、恋人になった。

不安や戸惑いもたくさんあったけれど、彼と過ごす時間の中で、少しずつ自分を好きになれた気がする。


クリスマス、一周年の記念に遥くんがくれたペアリング。

いまも薬指にそれをつけながら、わたしはそっとスマホを確認した。


遥くんからのLINEが届いていた。