家に帰り、自分の部屋の引き出しの中に、ラッピングされたプレゼントをしまい込む。
一ノ瀬くんに渡すその日まで、わたしだけの秘密にしておこう。
ふたりだけの、ささやかなサプライズ。
クリスマスが近づくほど、時間がゆっくりになっていくような気がした。
でもその分、一日一日が愛おしくてたまらなかった。
たとえば、彼とすれ違う瞬間に、ほんの少し指が触れるだけでも、胸がきゅんとする。
次の休み、わたしたちは電話でクリスマスの行き先を決めていた。
「どこ行こうか」
「うーん……イルミネーション、見に行きたいな」
「じゃあ、○○公園とかどう?」
「いいね。じゃあ、その日、あんまり厚着しすぎないでね。……手、つなぎたいから」
一ノ瀬くんがそんなふうに言ってくれるたび、わたしは胸の奥が熱くなる。
誰にも言えないけれど、わたしの心は、毎日がクリスマス前夜みたいだった。



