君の隣が、いちばん遠い



すぐに返信が来た。


【そっか、頼りにされてるんだな】

【一ノ瀬くん、やきもち?】

【……ちょっとだけ】


画面を見て、わたしはくすっと笑ってしまった。


【でも大丈夫。わたしが好きなのは、一ノ瀬くんだけだよ】


送信したあと、すぐ既読がついて──


【ありがとう】


その短い言葉に、優しさがぎゅっと詰まっていた。








週末、春風が気持ちの良い午後。

わたしは駅前のベンチに座っていた。


遠くから、一ノ瀬くんの姿が見える。

制服じゃなくて、カジュアルなシャツに黒いジャケット姿。

どこかいつもより大人びて見えた。


「待った?」

「ううん、今来たとこ」


自然と並んで歩く。


「そういえば、来週から塾で模擬テストが始まるんだっけ?」

「うん。白石くんが言ってたんだけど、英語の授業でも模擬テストやるんだって」

「……また白石か。ま、でも俺が佐倉さんの彼氏だから」

「なにそれ……」