翌朝、駅で一ノ瀬くんと待ち合わせて一緒に登校した。
「塾、どうだった?」と、彼が聞いてきた。
「緊張したけど、なんとか……。クラス分けで、大学進学コースに入れたの」
「おー、すごいじゃん」
素直に褒めてくれる声が、少しだけくすぐったい。
嬉しいけれど、どう返したらいいか、いまだに少し迷ってしまう。
「白石くんも、同じクラスだった。英語も取ってるって」
「へえ……そうなんだ」
彼の声のトーンがわずかに下がったのを、わたしは気づいた。
「でもね、やっぱりちょっと緊張したよ。塾って、周りすごい人ばっかで。置いてかれそうになる」
「大丈夫。佐倉さんは、ちゃんと努力してる。知ってるから」
その一言に、胸がじんとあたたまる。
「ねえ……一ノ瀬くんは、今のままで大丈夫?」
「うん?」
「文理が分かれて、授業も別が多くなるし……」



