「で、どうなのよどうなのよ〜! 一ノ瀬くんと!」
「そもそもいつから?」
「告白ってどっちがしたの?」
わたしは、照れながらも、ぽつぽつと話し始める。
「……クリスマスの日に、言ってくれて。わたしも……ずっと好きだったから」
女の子たちは「きゃー!」「最高かよ!」と盛り上がり、紗英ちゃんがわたしの肩をがしっと抱く。
「ひより、よかったね! 本当におめでとう!」
その会話を、羽柴さんが少し離れた場所で聞いていた。
彼女は鞄を肩にかけながら、わたしの方へ近づくと、すっと表情を整えて、
「……佐倉さん。おめでとう。……お似合いだと思う」
と言い、くるりと背を向けて去っていった。
その背中は、少しだけ強がっているように見えた。
「羽柴さん……」
わたしがぽつりと名前を呼ぶ。
でもその目には、感謝のような、静かな敬意のような光が宿っていた。
冬の午後、白い息が揺れる校舎の窓辺。
いま、確かにつながっている。
これからも、きっと——



