冬の朝は、空気が澄んでいて、心まで引き締まる気がする。


その日、わたしは白い息を吐きながら、いつもより少し早めに登校していた。

今日は、三者面談の日。校内には緊張感が漂い、昇降口に並ぶ靴箱の前にも、保護者らしき姿がちらほら見える。


わたしは、校門で叔母さんと叔父さんと待ち合わせていた。


冬用のロングコートを着た叔母さんは、どこか落ち着かない様子でハンドバッグの紐を指でいじっていた。

叔父さんは無口なまま、遠くを見るように立っている。


「ひより。……緊張、してる?」


そう声をかけてきたのは叔母さんだった。


「うん、ちょっとだけ」

「私たちも、少し緊張してるの。だって、こういうの……初めてだから」


少しだけ目を見開いた。

夏の三者面談は、自分が言い出せずに見送った。

だから、こうして三人で先生と向き合うのは、これが初めてだった。