君の隣が、いちばん遠い



放課後、その日は職員会議があるため部活はなし。

4人で昇降口に集まり、何となく歩き出した帰り道、柊がふと口を開いた。


「なあ、今日どっか寄ってかね?」

「いいねー、あったかいもの食べたい!」


紗英ちゃんがぱっと声を上げ、すぐに「おでんとか!肉まんとか!」とテンション高く続ける。


「コンビニでもいいけど、近くにクレープ屋なかった?」


一ノ瀬くんがふとつぶやき、わたしは目を丸くする。


「クレープ?」

「……あ、いや、なんか急に食べたくなって」


その会話にくすっと笑いがこぼれ、4人はほんの少し足を速めた。



通学路を歩いているとき、わたしは両手をこすり合わせ、息を吹きかけながら歩いていた。

吐いた白い息が空にすぐ溶けていく。


「寒くない?」


後ろから歩いてきた一ノ瀬くんがふと声をかけた。


「うん……大丈夫」


小さく首を振って、強がったように笑った。