君の隣が、いちばん遠い



そして改めて、柊くんはわたしたちに頭を下げた。


「冬休みに合宿があるんだ、バスケ部の。で、ちょっと……マネージャーやってくれないかなって」

「えっ、私たちが?」


わたしたちがほぼ同時に声をあげる。


「いままでマネージャーいたでしょ? 三年生の」

「うん。でも引退しちゃってさ。ふだんの練習は男子だけでなんとかなってたけど、合宿だけはさすがに人手が欲しいって話になって。練習の補佐とか、水分管理とか、雑用とか、そういうの」

「えー、でも私たち、何も分からないよ……?」


わたしが困ったように言うと、紗英ちゃんも「私、絶対怒られる自信あるよ?」と冗談めかして肩をすくめる。



「いやいやいや、大丈夫。あくまで“お手伝い”レベルだから! 一年の後輩も頑張るし、二人がちょっと手伝ってくれたら、絶対助かるから!」


手を合わせて頭を下げる柊くんに、紗英ちゃんがちらりとわたしを見る。


「そこまで言うなら……まあ、考えてあげてもいいかな」

「……わたしも、できることなら……うん」


わたしが小さくうなずくと、柊くんは「ほんっとありがとー!!」と飛び跳ねそうな勢いで喜んだ。