君の隣が、いちばん遠い



笑い声が広がるリビングの空気に、わたしは小さく笑った。

家族の中に自分がいることが、少しずつ当たり前になってきている。

そして、自分の中にも“誰かと一緒にいたい”という気持ちが、ちゃんとあるのだと実感していた。


食後、美帆ちゃんとふたり、こたつに足を入れながらテレビを見ていた。

お菓子をつまみながら、彼女がぽつりと言った。


「……ひよりさ、前よりずっと柔らかくなったよね。顔も、声も」

「え……そう、かな」

「うん。高校入ったころ、正直ちょっと心配だったんだよね。無理して頑張ってる感じがして」

「……ありがと」


その言葉に、わたしは小さく目を伏せた。

言葉にするには照れくさかったけれど、ちゃんと伝わっている気がした。


部屋に戻り、制服の上着を脱ぎながら、スマホを手に取った。