「─……悠生?どうしたの、寒くない?」

縁側に座り、月を見上げる。
静かな空間の中、響く玲瓏な最愛の声。

「彩蝶」

手を伸ばせば、近寄ってくる可愛い恋人。
頬を撫でて、唇に触れるだけのキスをして。

「……っ」

好きだなぁ、と、溢れ出す気持ち。
何百回と冷たくなる彼女の姿を忘れられず、今も脳裏から消えない日々の中で、自分が彼女を縛ることで訪れる未来だったらどうしよう?、とか、考えて、考えては苦しくて。