残念ハイスペ女子なんて 言うな



「おかえり〜」

家に帰ったわたしを迎えてくれたのはママのおかえりだった
忙しそうに夕飯の支度をするママ
それでもわたしを見るとにっこり微笑む
ママの顔を見るなりわたしはママの胸に飛び込んだ
ママは最初驚いた顔してたけど泣いてるわたしを見て優しく抱いてくれた

いつ以来だろう こんな自分 ママに甘えることもしなかった 泣いてるとこなんて見せなかった ずっと心配かけてきてた後ろめたさがあったから
心配かけさせないようにするには強くなるしかなかった なのに、なのに、今のわたしは弱かった

「たくさん我慢してるのかな ネオン」

ママの声 なんにも話してないのにどうして?

がまん…がまん…がまん? そうだよ、わたし我慢してるんだ 
ママの一言がわたしの【わからない】を紐解く手がかりになった

「どうして我慢してるってわかるの?」

わたしは素直な疑問をママにぶつける

「ネオンのママだからかな?」

わたしのことわかってくれないって思ってた時期もあった 大人なんて…って思ってた中に『ママもパパも大人』なんだって思ってた時期もあった
でも今ならわかる それはわたしが子どもだった証

「ママ ありがと」

優しく微笑むだけのママ

「あのね…」

わたしはフミアキとのこと最初から話した
ママはうんうんって聞いてくれた
夕飯作る手を止めて聞いてくれてた
わたしはまるで小さい頃のわたしに戻ったかのように素直にママに話すことができてた

「そっか… そっかそっか」

わたしの話しを聞き終えたママは目がうるうるしてた
その目はとても満たされてるように感じた

「ネオン 成長してるな ママびっくりした」

「そうなの? わたし成長してんの?」

いつの間にかわたしの涙は乾いてた

「うん成長してる あと少しだ がんばって大切なことに気づいてごらん」

「うん」って言ったけどママに話ながらわたしは気づいてた 素直じゃなかった がまんしてた わかんないふりしてた

「ママ ありがとう」

そう言ってわたしは部屋に戻ってった

あとは自分の気持ちに素直になるだけだ
フミアキだってさっきの行動はきっと勇気いったはずだ 今度はわたしが勇気出さなきゃ