検査が終わった瞬間、体から力が抜けた。
ゼリーのひんやりとした感覚がまだ皮膚に残っているけれど、それすらも遠くに感じるほど、今はただホッとしていた。
ゆっくりと上半身を起こす。
バスタオルを胸元に巻いたまま、しばらくそのまま呼吸を整える。
それから、脱いだ服に手を伸ばし、ひとつずつ身に着けていく。
柔らかいシャツの布地が肌に触れるたび、なんとなく安心する。
服を着終えると、ふと自分の腕を抱きしめていた。
無意識に、ぎゅっと、自分の体を包み込むように。
初めてだった。
自分の体に――「大切にしなくてはいけない」と、そう思ったのは。
これまでは、なんとなく、ただ生きていただけだった。
でも、今になって気づいた。
本当は、私は――生きていたかったんだ。
どこかで諦めていた気持ちを、今ようやく認めることができた。
自分の体の声に、心の声に、耳を傾けてあげよう。
神崎先生に出会えていなかったら。
きっと私は今も、死の恐怖に蓋をして、ただ時の流れに流されていたと思う。
誰にも相談できず、何も変えられないまま。
ベッドの端に腰をかけて、足をぶらぶらと揺らす。
その動きが妙に子どもっぽくて、少しだけ可笑しくなった。
そっと、ブランケットとバスタオルを畳む。
きっちりとは言えないけれど、なんとなく整えて、ベッドの端に置く。
父の問題も、仕事のことも、体のことも。
悩みや不安はまだ何ひとつ解決していない。
それでも。
ちゃんと向き合っていける。
そんな気がしていた。
ゼリーのひんやりとした感覚がまだ皮膚に残っているけれど、それすらも遠くに感じるほど、今はただホッとしていた。
ゆっくりと上半身を起こす。
バスタオルを胸元に巻いたまま、しばらくそのまま呼吸を整える。
それから、脱いだ服に手を伸ばし、ひとつずつ身に着けていく。
柔らかいシャツの布地が肌に触れるたび、なんとなく安心する。
服を着終えると、ふと自分の腕を抱きしめていた。
無意識に、ぎゅっと、自分の体を包み込むように。
初めてだった。
自分の体に――「大切にしなくてはいけない」と、そう思ったのは。
これまでは、なんとなく、ただ生きていただけだった。
でも、今になって気づいた。
本当は、私は――生きていたかったんだ。
どこかで諦めていた気持ちを、今ようやく認めることができた。
自分の体の声に、心の声に、耳を傾けてあげよう。
神崎先生に出会えていなかったら。
きっと私は今も、死の恐怖に蓋をして、ただ時の流れに流されていたと思う。
誰にも相談できず、何も変えられないまま。
ベッドの端に腰をかけて、足をぶらぶらと揺らす。
その動きが妙に子どもっぽくて、少しだけ可笑しくなった。
そっと、ブランケットとバスタオルを畳む。
きっちりとは言えないけれど、なんとなく整えて、ベッドの端に置く。
父の問題も、仕事のことも、体のことも。
悩みや不安はまだ何ひとつ解決していない。
それでも。
ちゃんと向き合っていける。
そんな気がしていた。



