過保護な医者に心ごと救われて 〜夜を彷徨った私の鼓動が、あなたで満ちていく〜

ほどなくして神崎が部屋に入ってきた。
白衣はいつの間にか脱ぎ、ラフなスクラブ姿になっている。

雪乃をチラッと見やると、「そのままでいいですよー」と安心させるように言った。

机に手をついて座らず、何かを呟きながらパソコンを操作する腕の動きが、雪乃の乙女心をくすぐった。

神崎はパソコンから目を離さずに、「エコーってやったことあります?」と尋ねる。

雪乃はわずかにブランケットを握りしめて、「あります」と答えた。

「大丈夫でした?」と振り向きながら問われ、突然目を合わせられたことに驚いて、思わず「大丈夫?」と返してしまう。

その反応を見て、神崎はふっと笑い、「緊張してます?」と優しく声をかけた。

雪乃は目を伏せて、「はい、ちょっとだけ」と小さく答えた。

神崎はにっこり笑い、「痛くないんで、大丈夫ですよ」と言った。

その笑顔に、胸の奥がずきんと熱くなるような感覚が走った。

緊張で固まっていた心が、少しだけ解けていくのを感じた。

それでも、どこかに隠したい弱さがあることも、どうしようもなくわかってしまう気がして、胸が締めつけられた。