過保護な医者に心ごと救われて 〜夜を彷徨った私の鼓動が、あなたで満ちていく〜

診察室から別の看護師に促されて、雪乃は別室へと案内された。

心電図と血液検査を終えると、先ほどの看護師が迎えに来てくれた。

「検査、多くて大変ですよね」と優しく声をかけられた。

隣の部屋に案内され、そこで少し休むように言われる。

部屋の一角にあるベッドに横になるように促されると、ブラウンの大きなバスタオルをそっとかけてくれた。

「もう少ししたら先生が来ますから、このまま少しお待ちくださいね」と看護師は微笑んだ。

心エコーは、高校の健康診断で引っかかった時に受けたことがある。

すごく冷たくて、気まずくて、何より時間が長く感じられた。

向こうは慣れているのだろうけど。

緊張と不安が胸の中で渦巻く。

でも、神崎がそばにいるという安心感が、わずかに心を落ち着かせていた。