過保護な医者に心ごと救われて 〜夜を彷徨った私の鼓動が、あなたで満ちていく〜

神崎の鋭い視線を感じながらも、雪乃は気合いで耐えていた。
「すみません。ただいま戻りました」と声を張り、全力の笑顔を作る。

だが神崎の目は鋭く、何かを見透かすようだった。

雪乃は自分のグラスに載ったコースターを手に取り、下に敷こうとした。
その瞬間、横から伸びてきた神崎の手がそれをそっと止めた。

「なんだ、この体の熱さは?」と神崎が低く問いかける。

雪乃はとぼけて、「えっ、そうですかね〜お酒飲んでるからかな」と軽く返す。

そのまま腕から手首に触れられた感覚が走り、神崎は目を閉じてその熱をしばらく感じ取っていた。

その一瞬の静寂が、雪乃の心の弱さと、神崎の不安を深く刻み込んでいた。