夜空の花火が静かに消え、街のざわめきも遠のいていく。
ベランダから戻ったふたりは、そっと手をほどき、部屋の灯りを落とした。

大雅が先に布団を整え、雪乃を優しく誘う。
「さあ、寝ようか」

雪乃は少しはにかみながらうなずき、ふたりはゆっくりと並んだ。

大雅の腕が自然に雪乃の肩を包み込み、彼女の身体をそっと引き寄せる。
ぬくもりが肌に伝わり、雪乃の心臓が高鳴る。

「大雅……」

かすかな声が耳元に響いた。

彼はそっと雪乃の額に優しいキスを落とす。
次に、まぶたへ、そして頬へと軽く触れるように唇を這わせた。

「……愛してるよ」

大雅の唇がゆっくりと雪乃の唇に触れた瞬間、時間が止まったようだった。
そのキスは優しくて、けれど熱くて甘い。

雪乃の唇がふわりと開き、自然に大雅の唇を迎え入れる。
舌がそっと絡み合い、ふたりの呼吸が深まる。

熱を帯びたその触れ合いは、まるで言葉以上の想いを伝えるかのようで、
雪乃の心はゆっくりと蕩けていく。

大雅の手が雪乃の髪をそっと撫で、
唇の動きに合わせて優しく指を絡めた。

甘い吐息が交じり合い、世界がふたりだけの色に染まったようだった。

「雪乃……」
耳元に囁くその声に、雪乃はほんの少し震えながらも、
愛しさが胸いっぱいに広がっていくのを感じていた。

長く重ねたキスの余韻に浸りながら、ふたりは静かに見つめ合った。
そこには言葉を超えた絆と、これからも共に歩む強い約束があった。