過保護な医者に心ごと救われて 〜夜を彷徨った私の鼓動が、あなたで満ちていく〜

午前7時。
夏の朝の光がカーテン越しにふわりと差し込み、部屋の中を優しく照らし出す。

大雅が目を覚ますと、隣には雪乃が静かな寝息を立てていた。
ブランケットの中で身を小さく丸め、眠たげに眉を寄せている。

「……雪乃、朝だよ。起きようか」
そっと声をかけると、布団の中からかすれた声が返ってきた。

「……やだ……眠い……もっと寝てたい……」

「うん、薬飲んだらまた寝てもいいから。ごはん食べて、ちゃんとお薬飲んでからね」

「……んぅ……でも……眠いの……」

ぐずるような声が可愛くて、大雅は苦笑する。
「はいはい、じゃあ……抱っこしてあげるから、起きようね」

そう言いながら、やさしく手を差し出すと、雪乃がようやく布団の中から手を伸ばしてきた。

「……ん……」

その小さな手をしっかりと包み込み、やわらかく引き寄せる。
腕の中にそっと抱き起こすと、雪乃はそのまま彼の胸に額をこすりつけるようにしてもたれかかった。

「……なんか……夜も……抱っこされてた気がする……」

「うん、ごめんね。膝枕してもらって、そのまま爆睡しちゃったんだ」

雪乃はとろとろしたままの声で、くすぐったそうに笑う。

「……先生……ちゃんとして……」

「うん、ちゃんとする。今日はちゃんと起こしたでしょ」

「ん……でもまだ眠い……」

「薬飲んだらすぐまた寝ていいから。俺が隣にいるから」

静かに交わされる言葉に、柔らかな安心が満ちていく。
そのぬくもりを感じながら、大雅は雪乃の髪をやさしく撫でた。

「おはよう、雪乃」
「……おはよう、大雅さん……」

夏の朝の始まりは、甘くやさしいまどろみの中にあった。