翌日、中山さんとは19時に駅で待ち合わせをして、駅下のアーケード街の中から、新潟料理を出してくれる、少し高めのお店に入った。そこで、新潟の地酒を飲みながら、いろんな話をした。大半がバイト先でのことで、中山さんからは、比嘉さんが最近辞めたということを聞いた。僕はお返しにと、王さんが辞めたことを話した。
「マジで?」
「来てすぐに店長とケンカして、それで泣きながら帰っちゃいました。僕一人でやることになるのかなと思ってたら、店長が制服に着替えて、『ごめんね。今日、僕が入るから』って。店長、やたら細かくて、どこどこの掃除ができてないとか、ここはこれくらい掃除しなきゃいけないとか、そもそも接客に覇気がないとか。僕、思うんですけど、コンビニってそんなに綺麗に掃除する必要あります? 深夜の接客で大きな声っていります? コンビニを利用する人って、疲れている人が多いと思うんですよ。仕事だったり、学校だったり、家のこと、人間関係、ああ、そういえば喪服を着てた人とかもいたんで、身内の不幸事なんかでも疲れている人がいるかもしれません。のんびりと買うものを選んだり、気分転換に立ち読みをしに来たり。コンビニってそういう人たちの憩いの場であればそれでいいんじゃないですかね?」
「どうだろ」と中山さんは日本酒をぐいと飲み干した。
「店員が、店全体が元気だと、そういう疲れている人も、少なからず元気もらえることもあるだろうし。ありがとうって言われるのって嬉しいじゃん? なんか、心がほっこりするじゃん? 別に、体育会系みたいに大きな声を出せばいいってことじゃないんだよ。気持ちが入っていればいいんだよ。店長の言う、覇気がないってさ、そういうところなんじゃねーの?」
「そうですかね」と僕も日本酒をぐいと飲み干した。
「ぶっちゃけ、僕、接客業向いてないと思いますし。まあ、楽してそこそこのお金があれば、後は別にどうでもいいです」
「ゆとりだな、お前」
「ゆとりですからね、僕」



