ホリー・ゴライトリーのような女





翌日、僕は東京へ帰ってきた。部屋のドアを開けると、天井から何かが降ってきて、そいつはジタバタした後、すぐにどこかへ消えた。僕はそいつの正体を知っている。できることなら出会いたくなかった。でも、出会ってしまうのだ、ここ東京では。仕方がない。どんなに気をつけていたって、出会ってしまうものは、出会ってしまう。


シャワーを浴び、コンビニで買ってきたのり弁を食べながら、美織が好きだったアーティストの曲をYouTubeで聴いた。どうして最後まで聴いてあげなかったのかと、酷く後悔したけれど、あの時の僕は、素直だったし、今だってそうだ。僕は僕のまま、きっとどんなことがあったって、変わらない。


ベッドには、0時過ぎに入った。スマホを開くと、中山さんからLINEが来た。


『明日暇?』


僕は天井に目をやり、何も予定がないことを再確認した。


『暇ですよ』


『だったら、飲みに行かないか?』


『いいですよ』


そう僕は返信して、眠った。帰りの新幹線でもあれだけ寝たのに、不思議だ。気づかないうちに疲れていたのだろうか。スマホを置いて、目を閉じると、すぐに僕は眠ってしまった。