ホリー・ゴライトリーのような女





高校の同級生の美織は、僕の元カノだ。同じサッカー部で、美織はマネージャーをしていた。天真爛漫で明るく、見ていると、元気がもらえる、そんな人だった。高校2年生の時に僕たちは付き合った。美織はジグソーパズルが好きで、よく一緒に部屋でジグソーパズルをした。僕は海の青のピースを集め、美織は空の青のピースを集めた。そうして、いろんな話をした。学校のこと、部活のこと、家族のこと。美織は僕に聴いてほしい歌があると言った。当時はまだ駆け出しだった有名アーティストの曲だ。僕は少しだけ聴いて、途中で聴くのをやめた。こんなののどこがいいのか、と言った。美織は少し悲しそうな顔をして、それからすぐに笑って、ごめんねと言った。それが僕たちの最後だった。


「元気にしてるんだったら、それでいいよ」


「うん、元気だよ。でも、あまり寝れてないかも」


「忙しいんだ?」


「うん。忙しくしてる。友達もできたよ」


「へえ、じゃあ恋人は?」


「それはまだいない」


「ダメじゃん。早く作らなきゃね~」と美織はあの時と同じように笑った。


「囚われてても、いいことは何もないよ。もっと自由に生きなきゃね。自由に」


「そうだよな」