ホリー・ゴライトリーのような女





カフェを出て、食品コーナーで豚バラ肉を買い、ショッピングモールを出た。家に帰って豚キムチを作って食べた。ご飯を2合も食べたせいで、しばらく動けないほど満腹になり、洗い物は次の日の自分に委ねることにした。


ユニットバスでシャワーを浴び、ソファーベッドに腰を下ろし、スマホをいじっていると、中山さんからLINEが来た。


『もんじゃ行かない? 梨本さんと王さんと最悪比嘉さんも誘ってさ』


『いいですね』と僕は返信して、それからすぐに既読になり、中山さんからまた白いウサギが親指を立てているスタンプが来た。


もんじゃは、子供のころの夕食でよく食べていた。でも僕はもんじゃ、そんなに好きじゃなかった。小さなヘラでみんなですくいながら食べるという食べ方。家族だったからギリギリセーフみたいなところはあったが、これが他人とになると、ぞっとする。思えば学生時代には、よくペットボトル飲料の回し飲みをする機会が多かった。僕は回し飲みが結構嫌いで、でも断るわけにもいかず、我慢して対応していた。肉まんを一口ちょうだいと言ってくる奴は、縁を切るほど嫌だった。僕は潔癖症ではない。ないのだが、どうもこういう口と口が触れ合うような、遠隔キス? 唾液交換会? は極端にダメで、もんじゃもその一例だった。


正直気乗りがしない。しかし、僕に惚れている梨本さんの手前、行かないわけにもいかない。


女性とのキスは躊躇なくできるのに、どうしてこういったことはダメなのか。僕という人間はつくづく難しい。