ホリー・ゴライトリーのような女





翌日、いつもの時間にバイト先へ行くと、王さんと同じシフトだった。


休憩中、王さんが、「これあげる」と言って、タッパーを渡してきた。中を開けるとキムチだった。


「前に辛いの平気って言ってたから」


僕はそこで、ああ、なるほど、と理解した。スタミナラーメンを食べに行く道中のことだ。僕はてっきりスタミナラーメンのことを心配して辛い物は平気か尋ねてきたのだとばかり思っていた。でもそれにしては、スタミナラーメン。全然辛く、ピリリともこなかったから、おかしいなとは思っていた。なるほど、なるほど。こういうことか。


「ありがとうございます! キムチ、好きなんです」


「それならよかった。食べたら感想教えてね?」


「感想って……まさか、王さんが漬けたんですか?」


王さんは、お茶目にウィンクして見せた。


「韓国産のキムチを使ってるから、辛さがマイルドで美味しいよ」


「中国でもキムチ、食べるんですか?」


「うん。でもこれは韓国式」


「どう違うんです?」


「さあ、わからないよ。私、専門家じゃないし」