ホリー・ゴライトリーのような女





小1時間くらい読み合わせをして、鹿波が「ちょっと休憩」と言って、ベッドに寝転んだ。


「で、どうして清原のLINEを無視し続けてるわけ?」


「なんだ、知ってたのか」


そう僕は火をつけたタバコを咥えながら言った。


「今朝、清原から電話があって、大体のことは聞いたよ。あなた、フラれたんだって?」


「清原がそう言ったのか?」


「いいえ、でも脈略上そうでしょう?」


「どう取ってもらってもかまわない」と僕もカーペットの上に寝転んだ。


「どうせ、僕には将来性がない」


「そんなこと、俳優を目指すって決めた時からわかっていたことでしょう?」


「そりゃそうなんだけど、あんなにはっきり、人前で言われたらそりゃ傷心もするさ」


「意外と打たれ弱いのね」


「ああ。僕がプロ野球のピッチャーだったら、死んでるね」


「あなたはピッチャーじゃないわ」


「わかってるよ、そんなこと。物の例えだ」


「例えが下手ね」


「この場合、例えが下手じゃなくて、下手な例え、だろ?」


「いいえ、前々から思っていたことだもの」


「そうかい」