ひょんなことからコンビニでアルバイトをすることになってしまった。
面接を終えると、店長は「あとは中山くんに任せるから」と言って帰ってしまった。僕は中山さんから渡された制服に着替え、レジの前に立った。
「レジの経験は?」
ともう一人の夜勤のアルバイトの人から話しかけられた。名札には『比嘉』とあって、メガネをかけた小太りの、髪の毛がパーマを当てたみたいに曲がりくねっていた。
「高校の時のアルバイトで、少し」
「そう。じゃあ、やってみよっか」
と僕は、比嘉さんにレジを手取り足取り一通りの操作を習った。「じゃあ、実践してみよっか」と比嘉さんが言うので、僕は週刊少年ジャンプと缶ビール2本を買いに来たサラリーマンの接客をした。自分ではなかなか上手くできたと思っていたけど、比嘉さんが言うには、「なんだか暗そう」なのだそうで、「もう少し声を大きく出すように」と指導された。中山さんは隣のレジを担当していて、昨夜、僕に大外刈りをきめた時とは打って変わって、丁寧に、物腰柔らかく接客をしていた。



