「小玉スイカを買ってきました」と清原は汗だくの中、グレーのTシャツにハーフパンツという姿で、重そうな買い物袋を引っ提げて帰ってきた。
「スイカって好きでしたっけ?」
「いや、あんまり」
「そうだったんですね。でもまあ、これくらいなら私一人で食べられるので」
「いや、食べるよ」と僕は清原から受け取った買い物袋から小玉スイカを取り出して、まな板の上に置いた。
「どう切ろう」
「私やりますよ」と手を洗った清原が、僕から包丁を受け取り、小玉スイカを一刀両断。赤々とした断面から、夏がうかがえる。
「そういえば、来週の撮影の台本、読んでますか?」
「あー、あれか」清原と同じプロダクションの台本だ。
「まだ読んでない。あんまり乗り気じゃない」



