ホリー・ゴライトリーのような女





それで今度は、僕の部屋で大城と清原が言い合いになって、他全員、外に閉め出されてしまった。麻雀をやっていた組も、上で映画を観ていた組もすっかり白けモードに入り、今夜の集まりはお開きになった。


みんなが帰っていく背中を僕と鹿波は呆然と見つめ、それからほぼ同時に深いため息をついた。それぞれの部屋では、まだそれぞれの男女が言い合いをしている。部屋に戻るわけにはいかない。


「どうしようかしら」


「そうだな」と僕はポケットを叩いた。部屋にタバコを置いてきてしまった。


「ねえ、タバコある?」


「ん」


と鹿波からタバコを1本受け取り、火をつけた。鹿波もその流れでタバコに火をつけ、煙をくゆらす。


「少し、その辺、歩こうか」


「そうね」


僕たちはタバコを吸いながら、その辺を歩いた。個人商店、今にもつぶれそうなラーメン屋、銭湯、また個人商店、ガラス張りの床屋、小さな公園。


その小さな公園で、僕はブランコに腰を下ろした。


「ねえ、大城の言ったこと、一理あると思わない?」


「そうねえ」と鹿波も隣のブランコに座った。


「でも、清原さんの言ったことも一理あると思う」


「だよなあ」