ホリー・ゴライトリーのような女





それで全員、僕の部屋に閉め出されてしまった。


「私の部屋なのに」と鹿波は憤慨していた。僕はつくづく自分の部屋じゃなくてよかったと思った。


しかし、それはそれとして、このままにしておくわけにもいかない。僕たちは麻雀牌が散らばったテーブルを中心に車座になって座り、この現状をどう打破すればいいか話し合った。


「思うにさ」と太った足裏の汚い男、大城が言った。


「俺たち、夢があってこの学校に入ったわけだろ? それなのに恋愛なんかしてる暇あるわけ? 根本がおかしいんだよ。恋愛してる暇あるなら、映画の一本でも観ろって」


「別に、それはいいんじゃないでしょうか」と清原が反論した。


「夢を追い求めている最中に、人と出会って恋に落ちることだって人間ならあると思うんです。二人で励まし合いながら夢を追うのだって素敵だと思います」


「それ、励まし合いじゃなくて、傷の舐め合いだから」


「どっちだっていいじゃないですか。人間誰だって、一人になれば不安にもなります。夢がとてつもなく大きなものに見えて、くじけそうにだってなります。そんな時、同じ気持ちの人が現れたら、頼りたくなるのは普通のことだと思います」


「俺はそうならないね」


「それは、大城さんがまだそういう人と出会っていないだけで、いずれあの二人の気持ちが、私の言っている言葉の意味がわかる日が来ます」