ホリー・ゴライトリーのような女





節分の日から僕は、5日間学校を休んだ。基本的にベッドの上で生活していたが、その間、鹿波のことを片時も忘れることはなかった。


6日目の朝、僕は鹿波の部屋のインターホンを鳴らした。鹿波は出てこなかった。また後で出直そうと階下への階段を降りていると、大家さんとバッタリ出くわした。


「鹿波さんなら、もういないよ?」


「どこか行くとか言ってました?」


「たしか、実家に帰るって言ってたかね」


「実家……」


そういえば、鹿波の実家ってどこだろう。僕は知らなかった。


「でも、いないとやっぱり寂しくなるでしょう?」


「そうですね。まあ、少し……」


そんなやりとりをしたにも関わらず、僕は気づかなかったのだ。