「こにちわ!!
Bonjour!!」
そのひとは、
春のにおいとほかほかのお日様のような空気をまとって、
次の日、またご来店くださいました。
不機嫌そうな茶髪イケメンを連れて。
「Hey,Why have we come here again?
We're going to Tokyo SkyTree today,right?」
(「おい、なんでまたここに来たんだよ。
今日スカイツリーへ行くんじゃねぇのか」)
「だいじょうぶ!!」
「何が」
何言ってるのかよくわからないけれど、またもめているのだけはわかる。雰囲気で。
「食べます」
「何をですか?」
「Hm...」
カウンターにいた私はひたすら困惑している。金髪さんがチラッととなりの茶髪イケメンを見る。おい、すんげぇ機嫌悪いな茶髪。
「あっ、また会ったな金髪の兄ちゃん!!」
入り口の自動ドアが開くとともに、明るい声がかかる。常連さんの運転手のおじさんだ。わぁ、こちらもほんのちょっと久しぶり!!
「お会いできました!!」
「そうだな!!」
「嬉しいです!!」
「俺も!!」
「……」
「おう、こっちの兄ちゃんもイケメンだな!! Hello,Nice to meet you!!」
「何コイツ」
果敢にも英語で話しかけたおじさんを一言でバッサリぶった切った茶髪が、さらに不機嫌そうに金髪さんを見る。
「お友だちです」
「あめーじんぐ!!」
「I'll go」
そう一言吐き捨てた茶髪の腕を、金髪さんがそっと取る。
「からあげ」
「唐揚げ?」
「Cheese」
「?」
「美味しいよ」
なんか見た目「北風と太陽」みたいなんだけど、この茶髪北風、コート脱ぎそうにない。
「そうそう。チーズ唐揚げ、ないす! ないす!」
「Nice! Nice!」
「チーズ唐揚げ……?」
太陽がふたつになったけれど、北風はますます困惑顔になっている。もしかして、唐揚げ食べたことないのかな?
「新作のクリスピーナッツ唐揚げ揚がりましたー」
タイミングが良いのか悪いのか、新作のクリスピーナッツ唐揚げを山盛り入れた銀色のバットを持って、奥から後輩くんがやって来た。
「本日新発売・クリスピーナッツ唐揚げ。たった今揚がりました。どうぞー」
後輩くんは涼しい顔でホットスナックのコーナーの扉を開け、バットを入れる。この唐揚げ本当にサクサクで美味しいんだけど……
「あの、」
私がおずおずと御三方に声をかけると、話に入ってくるなと言わんばかりに茶髪ににらまれた。こっちも仕事だ。言いたいことは言う!!
「新作のクリスピーナッツ唐揚げいかがですか」
「空気読めおまえ」
(おまえに言われたくないわ!!)
こっちも仕事なんで新作を宣伝するし、茶髪に何と言われようと新作を売る!!
「いいこいいこ」
「おまえもバカにしてんのか俺を!!」
金髪さんがニコニコしながら言った言葉を聞いて、茶髪が日本語でブチ切れる。私はおまえをバカにしてないし、おまえやたら日本語のツッコミ上手いな!?
「本日新発売・クリスピーナッツ唐揚げ。えー、クリスピーナッツ唐揚げです。クリスピーナッツ唐揚げ。
たった今揚がりました。どうぞー」
うちの後輩くん強い。てか図太い。空気読まない。
「いーっつ、おん、みー」
おじさんがそう言って、二カッと笑った。
Bonjour!!」
そのひとは、
春のにおいとほかほかのお日様のような空気をまとって、
次の日、またご来店くださいました。
不機嫌そうな茶髪イケメンを連れて。
「Hey,Why have we come here again?
We're going to Tokyo SkyTree today,right?」
(「おい、なんでまたここに来たんだよ。
今日スカイツリーへ行くんじゃねぇのか」)
「だいじょうぶ!!」
「何が」
何言ってるのかよくわからないけれど、またもめているのだけはわかる。雰囲気で。
「食べます」
「何をですか?」
「Hm...」
カウンターにいた私はひたすら困惑している。金髪さんがチラッととなりの茶髪イケメンを見る。おい、すんげぇ機嫌悪いな茶髪。
「あっ、また会ったな金髪の兄ちゃん!!」
入り口の自動ドアが開くとともに、明るい声がかかる。常連さんの運転手のおじさんだ。わぁ、こちらもほんのちょっと久しぶり!!
「お会いできました!!」
「そうだな!!」
「嬉しいです!!」
「俺も!!」
「……」
「おう、こっちの兄ちゃんもイケメンだな!! Hello,Nice to meet you!!」
「何コイツ」
果敢にも英語で話しかけたおじさんを一言でバッサリぶった切った茶髪が、さらに不機嫌そうに金髪さんを見る。
「お友だちです」
「あめーじんぐ!!」
「I'll go」
そう一言吐き捨てた茶髪の腕を、金髪さんがそっと取る。
「からあげ」
「唐揚げ?」
「Cheese」
「?」
「美味しいよ」
なんか見た目「北風と太陽」みたいなんだけど、この茶髪北風、コート脱ぎそうにない。
「そうそう。チーズ唐揚げ、ないす! ないす!」
「Nice! Nice!」
「チーズ唐揚げ……?」
太陽がふたつになったけれど、北風はますます困惑顔になっている。もしかして、唐揚げ食べたことないのかな?
「新作のクリスピーナッツ唐揚げ揚がりましたー」
タイミングが良いのか悪いのか、新作のクリスピーナッツ唐揚げを山盛り入れた銀色のバットを持って、奥から後輩くんがやって来た。
「本日新発売・クリスピーナッツ唐揚げ。たった今揚がりました。どうぞー」
後輩くんは涼しい顔でホットスナックのコーナーの扉を開け、バットを入れる。この唐揚げ本当にサクサクで美味しいんだけど……
「あの、」
私がおずおずと御三方に声をかけると、話に入ってくるなと言わんばかりに茶髪ににらまれた。こっちも仕事だ。言いたいことは言う!!
「新作のクリスピーナッツ唐揚げいかがですか」
「空気読めおまえ」
(おまえに言われたくないわ!!)
こっちも仕事なんで新作を宣伝するし、茶髪に何と言われようと新作を売る!!
「いいこいいこ」
「おまえもバカにしてんのか俺を!!」
金髪さんがニコニコしながら言った言葉を聞いて、茶髪が日本語でブチ切れる。私はおまえをバカにしてないし、おまえやたら日本語のツッコミ上手いな!?
「本日新発売・クリスピーナッツ唐揚げ。えー、クリスピーナッツ唐揚げです。クリスピーナッツ唐揚げ。
たった今揚がりました。どうぞー」
うちの後輩くん強い。てか図太い。空気読まない。
「いーっつ、おん、みー」
おじさんがそう言って、二カッと笑った。



