雪の精と白い夜

<12月20日(月) ー2人で遊びに行く5日前ー>

白夜(はくや)
『入院?』

月永(るな)
「うん。」

白夜(はくや)
『最近、体調良くないの?』

月永(るな)
「大学に入ってから体調良かったよ。」
「今回は期間が空いたから、念のため検査入院するだけ。」

白夜(はくや)
『そっか…いつから?』

月永(るな)
「来週、12月27日の月曜日から。」

白夜(はくや)
『またお見舞い行くね。』

月永(るな)
「いつもありがと、待ってるね。」



大学2年目の冬。

私は数年ぶりの入院が決まり、
年末年始を病院で過ごすことになった。

体調は白夜(はくや)に言った通り、ずっと良かった。
ウソはついていない…念のため検査するだけ…。

(大丈夫…大丈夫……)

私は白夜(はくや)の前では平静を装い、
心の中で自分にそう言い聞かせた。

胸の奥に生まれた「小さな違和感」から
目を逸らしたくて。