雪の精と白い夜

僕は冬城 白夜(とうじょう はくや)

しんしんと雪が降る公園で、
幼馴染の月永(るな)へ病気快復祈願のお守りを贈った。

月永(るな)は驚いていた。
「どうしての手術のことを知ってるの…?!」
という表情で。

僕は月永(るな)が手術を受けるなんて知らなかったし、
月永(るな)も「念のため入院」としか言わなかった。

けれど、僕には最近の月永(るな)
どこか強がっているように見えた。

勘としか言えない。
何年も見てきた幼馴染の表情の曇りで、
なんとなくわかってしまった。



あぁ…やっぱり僕は冬が嫌いだ。



冬は、大好きな月永(るな)と出逢った季節。
寂しさをあたため合い、救われてきた季節。

なのに、大好きな月永(るな)
うまく励ますことさえできない季節だから…。