雪の精と白い夜

ふいに風が吹き、積もった雪が青空に舞った。
陽の光が雪の結晶をキラキラと照らした。

舞い上がった雪が白いじゅうたんへ戻る頃、
病院の入口に人影が見えた。

私が世界で1番大切な人。
幼馴染で、頼れるお兄ちゃんで、
私をこの世界に踏みとどまらせてくれた人。

月永(るな)
白夜(はくや)、来てくれてありがとう。」
白夜(はくや)のおかげで手術を乗り越えられたよ。」
「だから、あの日の返事をさせてください。」

白夜(はくや)は乱れた息を整えながら微笑んだ。
きっと、全力で走ってきてくれたんだ。

(頬が…熱いよ…)

私は気恥ずかしさで
顔が赤くなっているのがわかった。

(月永(るな)、しっかりして?)
(このために悪魔を振り払ってきたんでしょ?)

私はすぅーっと息を吸い込み、
唇を震わせながら言った。



月永(るな)
「私も白夜のことが大好きだよ。」
「これからも私の隣にいてください。」



あぁ…やっぱり私は冬が嫌いだ…。

大好きな幼馴染に抱きつくまでに、

こんなにも高い”命の壁”を
越えないといけないんだから…。

本当に…大っ嫌い……。