雪の精と白い夜

私は小さい頃から身体が弱かった。

入退院を繰り返し、
あまり学校に行けなくて友達が少なかった。

それでも、
白夜(はくや)はいつでも私の隣にいてくれた。

白夜(はくや)は学校で私が寂しい思いをしないように、
私とクラスメイトとの仲を取り持ってくれた。

学校で私がいじめと無縁だったのも、
出席が少なくても楽しく過ごせたのも、
ぜんぶ白夜(はくや)のおかげ。

私は、そんな優しい白夜(はくや)と一緒にいるときに
いちばん安心できた。

白夜(はくや)とは同い年だけど、
頼れるお兄ちゃんのような存在だった。



そんな白夜(はくや)への恋心に気づいたのは、
一体いつからだろう…?



思い出せないくらい、ずっとずっと前。

けれど、もし私の想いを白夜(はくや)に伝えたら、
関係が壊れてしまうかもしれない。

そう思うと怖くて、
私は白夜(はくや)への想いを伝えられずにいた。