雪の精と白い夜



<12月25日、土曜日の夜>

白夜(はくや)
月永(るな)、よかったらこの”お守り”受け取って?』
『大丈夫!月永(るな)の手術、ゼッタイに成功するから!』

月永(るな)
白夜(はくや)…?!手術のこと…どうして知って…?」


私は雪吹 月永(いぶき るな)

しんしんと雪が降る公園で、幼馴染の冬城 白夜(とうじょう はくや)から
病気快復祈願のお守りを差し出され、驚いていた。

確かに、私は数日後に
手術のための入院が決まっていた。

けれど、私は白夜(はくや)を心配させたくなくて
手術のことを伝えていなかった。

今日は、白夜(はくや)が私の体調を気づかいながら
『2人で遊ぼう』と誘ってくれた。

白夜(はくや)はこの日が
「私がお出かけできる最後の日」だと
知らないはずなのに…どうして…?

あぁ…やっぱり私は冬が嫌いだ…。

冬は、大好きな白夜(はくや)と出逢った季節。
寂しさをあたため合い、支えられてきた季節。

なのに、大好きな白夜(はくや)
1番心配させてしまう季節だから…。