携帯電話を確認すると、ユイからの電話だった。


「もしもしアサ?今から校庭来れる?」

「行けるけど…どうしたの?」

「レクリエーションとして借り物競走やるんだって!せっかくだし参加しようよ!」


もうすぐ始まるとユイから急かされ、いそいで校庭に向かう。
少し息を切らしながらユイを探すと、遠くで手を振っているのが見えた。


「借り物競走なんて予定にあったっけ?」

「なんか生徒会がサプライズとして考えてたらしいよ。たしかにすごい盛り上がってるしいい企画だよね!」


周りをよく見てみると、たしかにたくさんの人が集まっていて非常に盛り上がっている。
競技に出る生徒は全校生徒の中から学年、クラス関係なく16人ランダムに選ばれるらしく、8人ずつ競走するようだ。
これから選手が発表されるようで、心の中で自分が選ばれないように祈る。