本人がいいならいいけど、そこまで拒絶されるとなんだか悲しくなってくる……
ナギくんは熱が上がったのか少し顔を赤くして、ゆっくりご飯を食べ始める。
お腹がすいてたのかお粥もゼリーも完食して、食べ終わった食器を受け取り、片付けた。
「熱はどう?」
「37℃まで下がったよ。たくさん寝たから体調もさっきより全然良くなった。」
「そっか、よかった!……ご両親はしばらく帰ってこないのかな?」
「…うん、大丈夫だよ。いつものことだし。」
「いつも…?」
「小さい頃からね。身の回りのことはしてくれてたし、文句はないけど。」
「でも、体調が悪い時って寂しくなるでしょ?子供なら尚更…」
「授業参観も、運動会も、僕が仕事に勝てたことはないよ。あの人たちが大切にしてるのは僕じゃなくて家族って形だけだから。
責めるつもりはないんだ。もう自分でも納得出来てるし、ここまで育ててもらった恩はあるしね。」
