「あはは、違わないよ。その帰りにお前が泣き出して、俺がおんぶして帰ったんだ。」
「そ、そうだっけ……?
お兄ちゃんって昔から記憶力良いよね。その時私がねだったものも覚えてたりする?」
「わたあめとチョコバナナ。あれだけ粘っておいて飽きたからって残りを全部俺に食べさせてたでしょ。」
「本当に覚えてるんだ……じゃあ私が小学2年生の頃に育ててたトマトの名前は!?」
「ポリスとドロシー。」
昔話に花を咲かせ、くだらない事を話していたらいつの間にか花火が始まる時間になっていた。
雑音が止み、自然と私たちの口数も減る。
数秒の沈黙の後、大きな花火が打ち上がった。それに続いて様々な花火が次々と打ち上がり、群衆から歓声が聞こえてくる。
