ひと通り出店を見終わり、文化祭もそろそろ終わりが近づいてきた。
空はもう暗くなっており、そろそろ帰る頃だろう。


「結構暗くなっちゃったね、もう帰る?」

「実は最後に打ち上げ花火があるんだ。見てから帰らない?」

「花火まであるの!?大学ってすごいんだね……」


花火まではまだ少し時間があったが、場所を取るために早めに広場へ向かった。
人混みが苦手な私のことを気遣い、お兄ちゃんは1番人が多い場所から少し離れた木の下を選んでくれた。少し離れているがここからでも十分花火は見れそうだ。
場所取りが終わり、まだ花火が始まるまで時間がある。


「こうして座ってると昔のこと思い出すね。」

「お前が足が痛いって泣き出した花火大会の時のこと?」

「違うよ!昔もこうやって2人で並んで座ってたでしょ。」