血の滲むような努力は一切外に出さず、涼しい顔をして結果を残す。そのせいで酷いことを言われることがあったけど、決して驕ることも言い返すこともしなかった。
私がいないと自分が満足するまで作業を続けてしまうので、私の目が届かない大学では無理をしてしまっているのではないかと内心不安だった。


「大丈夫だよ、専門的なことも学べるし、ついつい勉学に夢中になってサークル活動まで手が回らないってだけだ。」

「本当?私に隠れて無理したりしてないよね。昔から私が言わないと全然休まないんだから!」

「本当に大丈夫。そんなに心配なら今度様子見に来てくれたっていいんだよ。」


軽口を叩きながらお兄ちゃんは笑う。嘘をついているようには見えないし、本当に大学生活を楽しんでいるのだろう。
安心しつつも、いつも私より先を歩き続けるお兄ちゃんに焦りと悲しみを感じる。