だから、また俺は自分の気持ちに蓋をする。誰にも悟られないように。
何も知らなくていい。穢れるのは俺だけで十分だ。俺の想いも、汚い世界も。あの子は綺麗なものだけを見て自由に育つべきだ。
美しい花は踏まれない。多くの人間に愛され、真っ直ぐと育つ。しかし、守られて育った美しい花は己の身を守る術を知らず、いつか汚い手によって摘まれてしまう。
それなら、俺が彼女の棘になろう。誰もあの子を傷つけないように、1番そばでアサを守り続ける。
俺の世界にはアサ以外必要ない。
何を代償にしたとしても、絶対にアサだけは俺が守る。
