変わっていったのは高校からだっただろうか。始めは純粋に家族として彼女を愛していたつもりだった。だが、どんどん大人になって俺の知らない人とも関係を広めるアサを見て、どうしようもない感情に襲われた。
その時から、少しずつアサと距離を置いていった。それでもあの子を傷つけないように、バレないよう自然にやったつもりだ。
アサを傷つけるものは全てこの世から消えるべきだ。たとえそれが俺であったとしても。
このまま彼女のそばにいて傷つけるようなことがあるなら、適切な距離を保つべきだ。
最近アサはどんどん綺麗になってきた。
兄としては嬉しいばかりだが、俺の持つ彼女への想いはそんな単純なものではない。
いつかアサが俺の薄汚い気持ちに気づいてしまうんではないかと、日々考えてしまう。
それで彼女に嫌われるのがこの世の何よりも恐ろしい。
