特にヨル、あの男が1番気に食わない。ぽっと出のくせに兄という都合の良い立場を利用して、アサの騎士にでもなったつもりか?
まあ、アサがあいつを恋愛対象として見ることはないだろうが…それでも懐きすぎだ。
オレの腹黒さをアサはまるで知らない。
昔、1度だけヨルと話したことがある。
「おい、お前アサに過保護すぎだ。見てて気分わりぃんだよ。何がしたいのか知らねえけどあいつのためを思うなら少しくらい自立させたらどうだよ。」
あまりにも兄にべったりなアサを見ていられなくてそういった記憶がある。
何か困ったことがあったらすぐ兄を頼る。兄妹として普通かもしれないが、あれは度を越している。近くで見ていればわかる。ヨルがそう誘導しているのだ。
自分が1番頼りになるのだとアサに刷り込んでいる。
