アサに変な虫がつかないようにずっと見張っていた甲斐があったのか、好きな人とか、彼氏がいるとかは1度も聞いたことがない。
今年、あいつと同じクラスになって心臓が止まるかと思った。本人には絶対バレないよう冷静に話しかけたから大丈夫なはずだ。


昔からそうだ。オレのことはただの友達としか思っていない。男として意識されているかも危ういくらいだ。
今まではそれでも十分だった。あいつのそばに居ることができて、たまに喧嘩して、2人でふざけられたら。


いつしかそれじゃ足りなくなった。
あいつが他の人間に笑いかけて、触るのを許すたびに腸が煮えくり返るような思いだった。