また自分の言葉を後悔する。少し踏み込んだ話題だったかもしれない。学校で話すこともない特に目立ちもしないバイトが同じだけの女からこんなことを言われて不信感を抱かないわけがない。
今日は人の気に当てられたからか、思考がネガティブになっている気がする。そう思っても簡単に直せるようなものでもなく、また焦りながら彼の返答を待つ。


「…実は、ちょっとね。人といるのは好きなんだ。むしろ1人は苦手。
でも時々、人といると疲れるっていうか…すごく考え込んじゃうんだ。自分でもよく分からないけど、友達と遊んで楽しいはずなのに、人と一緒にいる時に1番孤独を感じる……こんなこと言われても困るよね。」


ナギくんは困ったよな、泣きそうな顔で笑った。あの時と同じ顔だ。彼が本心を隠す時はいつも嘘の笑顔を張り付ける。