まんまとハルマのペースに乗せられてしまったが、私はあそこまで言われて大人しく引き下がるような人間ではない。
ハルマからバットを奪い取り、早速フォームを構える。フォームを構えるといっても本格的な指導などもちろん受けたことはないので、テレビで見たプロ野球選手のバッティングフォームの記憶を必死に呼び起こし、見よう見まねでやってみる。当たればいいのだ。
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結果は惨敗だった。私は一球もあたらず、肩を落としてハルマにバットを渡した。
「ヘッタクソだな。ホームラン打ってやるって息巻いてたのはどこのどいつだっけ?」
「うるさいっ!アンタは私の事バカにできるほど上手いの!?」
「まぁ、見てろって。」
そう言うと私の頭をポンと叩き、バットを持って行った。
