それはお兄ちゃんが家を出てからも変わらず、いつだって気にかけてくれていた。お兄ちゃんはずっと私のヒーローなのだ。
学校もないはずなのにどこに行ったんだろう?聞きたいけど、喧嘩をしてしまった手前自分から連絡するのは気が引ける。
「とりあえず学校行こ……」
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今日は本当に最悪な1日だった。
朝は腫れている顔を元に戻すのに時間がかかってしまい、危うく遅刻するところだった。登校中も全ての信号に引っかかり、足元を見ていなかったせいで溝に片足を突っ込んで買ったばかりの靴を汚してしまった。授業中も昨夜のことが頭をよぎり、先生に当てられても答えられなくて恥ずかしい思いをした。
