「そんなことわかってる!もういいよ、おやすみ。」
「っ、アサ……!」
ただ昔みたいになりたかっただけだった。周りのことなんて気にしないで、お兄ちゃんと2人で楽しいことだけやる。
でも、もう私は子供じゃない。そんなこと分かってるけど、どうしても心が追いつかない。
お兄ちゃんは昔から男の子との関係については厳しかった。それは私が中学生になってからより酷くなり、門限に帰ってこないと迎えに来たり、周りの男子は何故か兄を怖がって滅多に私に話しかけてこなかった。
お兄ちゃんが心配してくれてるのもわかる。ただ、過保護というか……たまに行きすぎていると感じることもある。なにより、私は兄に信用されていないのだと、まだ守ってもらわないといけないような子供だと思われてるような気がして嫌だった。
「せっかく会えたのに……」
絶対に外に聞こえないように嗚咽を飲み込みながら泣いていたせいで疲れたのか、私はいつの間にか眠りについていた。
